「時間」をテーマに身体、空間、アートを横断する試み
美術や音楽、映像の分野から5人の作家が集い、展示企画展「時形時景」(読み:とけいとけい)を開催します。芸術の立場から「時間」をテーマに据えた本展は、作品により時間の在り方を提示することはもちろん、アートの在り処として時間を捉える、そうした試みの結果として提示されます。 ドローイング、オブジェ、オーディオ、映像、コンピュータプログラムなど、各作品は自律的に配置されながら、ギャラリーの一室に多様な時間軸の交差をもたらします。
また、展示会場となる銀座奥野ビル306号室は昭和初期のモダン建築の様式を特徴とし、 長年の経年変化に極力手を加えずに保存運営されているスペースです。 この過去の時間が堆積された一室に、鑑賞者それぞれの「今」というレイヤーが重ね合わされることとなるでしょう。
会期中には、出展作家によるワークショップを開催します。
時間をテーマとした企画ならではの体験的なイベント<出来事>の表出をご期待いただければと思います。
出展作家
加藤裕士
音楽家/美術家 栃木県佐野市出身。 「いま、ここ」の探査を試みる。2018年より自身の作品/思考/試行の場の総称である『anoxia』を東京都豊島区上池袋にて展開。 2019年より栃木県足利市をもう一つの活動拠点と定めた。福家由美子
美術家 主に生命の波動・リズムへの眼差しを重視した作品を制作する。作品の形態はインスタレーション。2020年6月からジョグジャカルタでの滞在制作を予定。本田晃一
デザイナー/武蔵野美術大学非常勤講師 コミュニケーションとテクノロジーの関係を軸に表現活動を実践している。渡辺真太郎
映像作家/武蔵野美術大学非常勤講師 ドキュメンタリー、PV等の映像制作他、教育や多様な表現分野での制作を行なっている。木下和重
音楽家/ヴァイオリン奏者 実験音楽をベースに多様な認識世界を提示する「SEGMENTS セグメンツ」を提唱。作品上演、ワークショップを行っている。関連イベント 要予約
※各イベントは予約制となります。ご予約は、こちらのメールアドレスもしくは、Faceboookにご連絡ください。下記ワークショップイベントは、中止となりました。
・セグメンツ ワークショップ 雨天中止
3月28日(土)13:30 ~ 16:00
3月29日(日)13:30 ~ 16:00
テキスト付参加費 500円
木下和重/セグメンツ 事務局
会場紹介
銀座奥野ビル306号室について
画廊の街とも称される銀座で、多数のギャラリーのある奥野ビルは、その佇まいからも一際耳目を集めています。 かつて「銀座アパートメント」といわれたこのビルは、昭和7年に同潤会出身の建築家によって手がけられた当時最先端の高級アパートでした。 今ではそのレトロな魅力を活かして、アンティークショップやギャラリーなど様々なテナントが入居しています。 手動開閉扉のフロアを針表示するエレベーター、簡潔で品格ある階段など、そこかしこに昭和初期の趣が感じられ、多くの建築ファンも訪れています。その一室である306号室は、有志により芸術活動拠点として保存・運用されているスペースです。 かつてここでは、最後の居住者であり2009年に100歳で逝去された須田ヨシ氏が美容室を営んでいました。 現在入り口には、「スダ美容室」の看板写真が敬意を込めて掲げられています。 8畳ほどの部屋の中には上質な室内装飾をはじめ、壁面に並ぶ鏡、小窓の開いた電話台など美容室時代の面影を見ることができます。 往時の状態を留める方針のもと、剥落した壁など一切の経年の変化は据え置かれ、街の喧騒をよそに歳月の記憶が守られています。
銀座奥野ビル306号室プロジェクト:http://306project.web.fc2.com