テンカウント


 

みんなで輪になる。
1から10までの数字を何でもいい、
ひとり一つずつ選んで、順番に声に出して数える。
例えば4を選んだ人は、「1、2、3、4」と数える。
次の番の人は、前の人が数え終わったからといって、すぐに始めなくてもいい。
10分経ったらタイマーが鳴る。
その時に数えている人が、負け!
ちょうど間の時は、次の番の人が負け!

曲のタイトルは、プロレスのテンカウントに由来する。

 

決めた数に至るまでカウントする度、時間は刻まれ過ぎていく。
カウントが隣りの人へと移る間にも、時間は流れ過ぎていく。
その沈黙は、カウントの終わりを見極めようとする意識の中に始まり、
新たなカウントの始まりを待つ時間へと、変化する。
有限の時間の中で、それぞれがどれだけを費やし、次の人へと残して行くのか、
それも時間が流れていくさなかに定まっていく。
輪の中で沈黙とカウントのリレーが幾周も続き、
やがて、終了の宣告が訪れる。